骨盤底筋を鍛える必要性
骨盤底筋は腕や足の筋肉と違い、普段目につかない場所にあります。
また腹筋のように「最近ちょっとお腹が出てきたな…」などと気になるような部位でもありません。そのためトレーニングしようと思えない部位であるかもしれません。
そもそも骨盤底筋とは骨盤の底に位置する筋肉で、ハンモック状の形をしています。このハンモックの上に乗るように、 骨盤内にある膀胱や子宮、直腸などの臓器があり、正しい位置に保ったり、尿道を締めて尿漏れを防ぐなど重要な役割を担っているのです。
そのため、骨盤底筋は緩むと以下のような症状があらわれます。
・頻尿
・尿漏れ
・下腹のぽっこり
・下半身太り
・子宮付近の冷え
など。
酷い場合は
・便失禁
・骨盤内の臓器の下垂や脱出(子宮脱など)
骨盤底筋は筋肉のため、年齢を重ねて全身の筋肉が衰えてしまうことが原因となることはもちろん、20~30代の若い世代でも、運動不足やオフィスワークで座りっぱなしの生活をしていることなどによって衰えてしまいます。
また、妊娠すると自分自身の臓器以外にも赤ちゃんや羊水を支える必要があり、過度な負荷は骨盤底筋が負傷してしまったり、伸びきってしまう場合もあります。
実はこれ、便秘でも起こりうる現象。
重度の慢性的な便秘は常に骨盤底筋に負荷がかかり、筋肉繊維自体にダメージを与えているのです。
このような理由から骨盤底筋が衰えてしまうと、さまざまな症状があらわれます。
そのため、骨盤底筋を意識的に鍛えることがとても重要と考えられているのですね。
骨盤底筋の緩みチェック
二つ以上当てはまる方は要チェックです!
・お尻のシルエットに丸みがなく、台形や三角形になっている
・猫背や巻き型
・下腹がポッコリしている
・妊娠/出産経験がある
・閉経をむかえている
・トイレの回数が多い
・咳やくしゃみ、笑った時などに尿漏れする
・運動をほとんどしない
・慢性的な便秘
・お風呂のお湯が膣に入る
また、膣からでも骨盤底筋の緩みを確認することができます。
まず、湯舟に入ったりベッドでリラックスした状態ですわり、ひざを立てて力を抜きます。
人差し指と中指を第二関節までそーっと膣に入れて、膣にぎゅっと力をいれ、指を締め付けてみましょう。
動きが感じられなかったり、少し動いても締め付けが感じられるほどではない場合は、骨盤底筋が緩んでいる可能性があります。
膣の緩みや引き締まりは、骨盤底筋が大きく関係しているため、膣をチェックすることは骨盤底筋をチェックすることにつながるのです。
骨盤底筋を鍛えるとどれくらいで効果がでるの?
ヒトの筋肉細胞は約2か月で入れ替わるといわれています。
そのため継続的にトレーニングをおこなうことで、大体2か月、長くても3カ月効果がみられることが多いです。
また、骨盤底筋はおしりや太もも、腹筋と違って大きな筋肉ではなく、トレーニング方法も単調なので、他の部位の筋トレに比べてつらいトレーニングではありません。
それほど大変なことはしていないのに、定期的に膣に指を入れて膣圧を確認してみると、驚くほど効果が出ているという場合もあります。
骨盤底筋の緩みに付随するさまざまなお悩みがある方は、ぜひあきらめずに“まずは2か月”続けてみてくださいね!
骨盤底筋トレーニング【簡単初心者編】
一番スタンダードで簡単な骨盤底筋トレーニングをご紹介します。
1、まずは仰向けに寝ころんで、足を肩幅に開き、両膝を軽く曲げて立て曲げます。手はだらんと床におろし、力を抜いてリラックス。
2、空気を口からゆっくり細く吐き出しながら、肛門、尿道、膣全体を締めるように力をいれます。骨盤底筋が緩んでいる場合、膣を締めるという感覚がわかりにくいかもしれません。慣れてくるとわかるようになりますが、初めのうちは「おしっこを途中で止める」ようなイメージや、肛門とお尻に力を入れるようなイメージをしてみるといいかもしれません。
3、2番を50秒、10秒休憩を1セットとして、5回(5分)を一日2~3回ほどおこない
ます。
まずはこのトレーニングをおこない、骨盤底筋(膣周辺)を動かす感覚をつかんでみましょう!
骨盤底筋トレーニング【発展編】
骨盤底筋トレーニングの簡単初心者編で骨盤底筋の動かし方が少しわかったところで、発展編を取り入れてみると、より効率よく筋トレをすることができます。
今回は発展編を難易度別で3つご紹介します。
難易度★★ 空気椅子トレーニング
1、壁から20~30㎝ほど離れたところに立って、ひざを曲げ、空気椅子をするように壁寄りかかります。
2、この状態で【簡単初心者編】でおこなったように肛門、尿道、膣全体を引き締めて50秒力をいれ、10秒休憩。
3、上記を3~5セットおこないましょう。
立ったままおこなえるので、料理や掃除の合間などちょっとした隙間時間におこなうことができますね。
難易度★★★ 橋のポーズ
1、【簡単初心者編】でおこなったように、仰向けに寝てひざを立てた状態になりリラックス。
2、そのままお尻をぐっと持ち上げて腰を浮かせた状態で、肛門、尿道、膣全体に力をいれ、ゆっくり息を吐き出します。
3、力を入れて40~50秒後、10秒休憩で1セット。5セットを一日2~3回おこないましょう。
骨盤底筋だけでなく、お尻のトレーニングも一緒におこなうことで、より骨盤底筋を効率よく鍛えることができます。お尻のたるみは骨盤底筋のたるみに直結しますので、ぜひお尻のトレーニングも取り入れてみてください。
難易度★★★★★ スクワット
1、肩幅に足を開いて立ちます。
2、ひざがつま先よりも前に出ないように、ゆっくりとお尻を後ろにおろしていきます。
この時、両腕は前に伸ばし、空気椅子をするイメージでおこなってみましょう。
3、息を吐きながらひざを曲げで下で3秒、息を吸いながら立ち上がるまでを1回とし、10回を5セット一日3回以上おこないましょう。
下半身の筋肉が緩んでいると、内臓を支える骨盤底筋に過度な負荷がかかり、さらに緩みが生じてしまいます。【簡単初心者編】で骨盤底筋の力の入れ方がわかったら、骨盤底筋だけでなく周りや下半身の筋肉もまんべんなくトレーニングしてみましょう。
まとめ
今回は骨盤底筋のトレーニングについてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?
骨盤底筋の緩みは尿漏れやさまざまなお悩みに直接関わってきます。簡単トレーニングからぜひ続けてみてくださいね。