今回はさまざまな国のフェミニンケアをご紹介していきます。最近日本でも認知が高まってきているフェミニンケアですが、世界市場でみるとまだまだ遅れをとっているようです。ぜひ楽しみながら読んでみてくださいね。
日本のフェミニンケアが遅れている理由
日本のフェミニンケア市場は近年急上昇していますね。
特に2019年から現在にかけて、ウィメンズヘルスの市場が右肩上がりとなっていて、セルフケアに関わる製品、情報サイト、専用サロンや美容外科なども急増しています。
それでも日本はまだまだ世界のフェムケアから遅れをとっているといわれていますが、その理由は日本特有の文化や政治的な面も関係しているかもしれません。
と、いうのも、そもそも1990年まで、医学的知見から、世界水準で「女性は“小さな男性”」という認識でした。世界中でさまざまな医学的研究や治療がおこなわれてきましたが、これらは全て男性をメインとしたもので、女性は男性を小さくしたものとして捉えられていたのです。
男女ではかかりやすい病気も症状も異なり、生殖器の違いもあるにも関わらず、検証対象は男性でした…
そのため、医学的にみて女性特有の病気やケアに専門性は少なく、“女性ならではの疾患”への研究が優先されて来なかったのです。
世界が性差医療(性別による医療)を意識し、医療や健康診断の基準範囲に取り入れるようになったのが1990年であり、このころから世界では「女性には女性ならではのケアが必要なんだ」という認識が広がりました。
それに対して日本が性差医療を取り入れはじめたのは2004年のこと。
この時点ですでに、女性の疾患やケアに対する遅れをとっていることがわかりますね。
さらに日本は性に対してとても内向的な国なので、女性専用のセルフケアが浸透するのにもとても時間がかかってしまったようです…
また、日本は保険制度がとても整ってて医療費も安い国のため、「具合が悪くなったら病院にいく」というのがあたりまえの認識ですが、外国ではすこし考え方も異なります。
高額な保険と医療費がかかる国では「簡単に病院にはいけないから病気を予防する必要がある」という考えが強くあります。
そのため、セルフケア製品に対する消費の目も厳しく、それに対応している製品の性能や機能も高いと考えられます。
フェミニンケアは‟日本では必要ないから浸透しなかった”わけではなく、『必要なのに今まで誰もしらなかった』ことであり、世界の女性は当たり前のようにおこなっているケアなのですね。
アメリカのフェミニンケア
フード、ファッション、美容など、多くのジャンルにおいて、日本はアメリカの文化や流行を取り入れていますね。
日本では2019年ごろからフェミニンケア市場が上昇し始めたのに対し、アメリカでは2014 年前後から市場が成長し始めたといわれています。
デリケートゾーンケア製品は
・ウォッシュ
・保湿剤
・ワイプ
・その他
の順で需要があり、特にウォッシュはアメリカ人の女性の約40%が日常的に利用しているそうです。
アメリカのフェムケアの最大の特徴は、なんといっても“多様性”ではないでしょうか。
さまざまな人種が暮らすアメリカでは、小さな薬局にあるデリケートゾーンケア用の棚にさえ、多くのお悩みや皮膚の特徴に対応した、多種類の製品が陳列されています。
また、オーガニック自然由来の製品から、化学的実験を多数クリアした医学的研究によって開発された製品まで。
さまざまな需要に対応するために、それだけ供給の形も違うように感じます。
共通して流行しているのは、“フレグランスレス”や“持続可能な製品”など、環境などにも配慮したものが主流。
日本ではにおいや色素沈着、かゆみに対する製品が多いのに対し、アメリカでは脱毛後のケア製品も同様に豊富です。
さらにアメリカでは、高額な保険と医療費がかかるため、多少の不調では病院にはいかない場合が多いよう。そのため、自ら予防や日ごろのケアをおこなう意識が高く、フェミニンケアにも積極的といえます。 このように、消費者側の意識が高いため、製品の品質も高いものが多く、また手軽に入手できるものが多いのがアメリカのフェムケアの特徴のようです。
中国のフェミニンケア
実は中国のフェミニンケア市場はダントツの世界1位。
上でご紹介したアメリカの市場の倍以上のシェアを誇ります。
中国もアメリカ同様2014年前後からシェアが拡大して、今後も成長していくと予想されています。
実は中国、アジアではダントツでデリケートゾーンケアが浸透している国といわれています。近所にある薬局やスーパーでもケア製品が陳列されているのが一般的なんだとか。
中国では、生理用品(主にナプキン)は日本製のものが人気が高く、次にアメリカ製品が多く利用されているそう。
それに対して、まだまだ日本製品の少ないフェムケア製品は、アメリカ製品が多く取り扱われているようです。
また、中国では“フェミニンケア”のニュアンスが少し違うよう。日本では主にデリケートゾーンケア、VIOケア、膣ケアなどに対してフェミニンケアという言葉が使われていますが、中国では出産前後のケアも含まれていることがあります。
デリケートゾーンのケアはもちろんですが、産後の疲れた身体を癒すためのサポートや赤ちゃんも一緒に受けられるエステなども、フェミニンケアとして紹介されています。
これは産後ケアが発展している台湾などでも同じ認識のようで、デリケートゾーンのケアだけでなく、女性ならではの環境や変化に対応するケアを全部含めるという感覚なのですね。
また、アメリカと違い中国ではフレグランスが入っているものも人気があるようで、made in USフレグランスレスの製品に敢えて香りを加えて中国用にアレンジされた製品なども販売されています。
フランスのフェミニンケア
フランスは昔から“女性には女性専用のケアが必要”という概念があり、膣のオイルケアやさまざまなセルフケアが母親から娘に代々伝えられてきました。
そのため、世界的にみてもフェミニンケアが発達しています。フランスのデリケートゾーンケアについて深く掘り下げてみると、フランスの歴史や衛生面が大きな理由のひとつとなっているようです。
フランスでは昔、下水や汚物は建物の窓から道路や道端へ捨てられていたため、衛生管理ができていませんでした。この風習こそ中世ヨーロッパの時代までですが、そのあとも下水やお手洗いの整備が整えられるまでかなり時間がかかり、つい100年ほど前までパリは「鼻の曲がる街」などといわれていたのです…
そんな影響からか、特に女性はお手洗いを共有することで感染症を起こしてしまうことも。。。そのため、フランスのデリケートゾーンケアは衛生的な面から始まったという説があります。
フランスのフェミニンケアには実はこうした裏話があったのですね。
また、歴史的にみても性に対してオープンなフランスでは、フェムケア製品もとてもオシャレ。効能はもちろんのこと、デザイン性にこだわっています。
日本のデリケート製品は「こっそり使うもの」「フェムケアとわからないデザイン」がメジャーですが、フランスでは敢えて「飾っておきたくなるデザイン」「セクシャルでおしゃれなデザイン」が主流。‟女性が楽しみながらセルフケアをする”という概念がデザインに反映されているのですね。
また、フランス人女性はコスメにとても厳しいそうで、ヨーロッパならではの厳しい水準をクリアしたオーガニック製品であること、環境にやさしくサスティナビリティーであること、さらにモニター満足度などや製品開発機関までチェックするため、人気製品は高品質である可能性が高いと言えるでしょう。
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オーストラリアのフェミニンケア
ナチュロパシ―(自然療法の一種)がメジャーなオーストラリアでも、もちろんフェミニンケアは当たり前。
オーストラリアも他国同様、医療保険や医療費がとても高く、日本と比較すると約2~3倍以上も高額といわれています。
そのためナチュロパシ―が盛んで、精油やアロマ、ハーブなどを取り入れて自分たちでケアをおこなったり、ナチュロパシ―の専門家も多くいます。
フェミニンケアももちろん自然由来の成分を取り入れるのがメジャーなオーストラリア。
特にハーブは世界基準でみても高品質なものが栽培・製造されているため、それを使った製品も多く存在するようです。
まとめ
今回は世界のフェミニンケアの市場や様子をお伝えしましたがいかがでしたでしょうか?
こうして見てみるとフェミニンケアの浸透にはさまざまな歴史や情勢が関係しているように思います。
また、日本は性に対して閉鎖的であること以上に、保険や医療費に恵まれていることで、逆に女性のセルフケアが浸透しにくいのかもしれません。
お悩みが酷くなる前に、世界のフェミニンケアを参考にしながら自分なりのケアを楽しんでみてください。